万年筆(改造・調整・修理)

2010年7月29日 (木)

【修理法】貼り付けペンの貼り直し

貼り付けペン、ご存知でしょうか?

パイロットのペン先の一種で、現行品でいうシルバーンのようなものです。ペン先の大部分が首軸と接着剤で張り合わせて固定してあるのです。

通常のペン芯と押し込まれたペン先と異なり、この接着剤が傷んでしまうことがあります。

さて、では実際に貼りなおしの手順を確認しましょう。手順通りに行ってうまくいかないこともあるかもしれませんが、ご参考にどうぞ。

また途中工程でペン芯を取り外すには特殊な工具が必要な場合があります。

Dsc03359 まずこれが今回張りかえを行う、ペン先です。

古いパイロットのペン先で、接着剤の痛みが見受けられます。

まずこのペン先をとりはずします。

薄いゴム板ではさみもち、まっすぐに引きぬきます。

古く劣化した接着剤の場合はこの手法で引き抜くことができます。

できない場合は、ペン芯とペン先の間に針を入れて取り外す方法があるらしいですが、これはちょっと危険かもしれません…。

さて、このようにペン先を取り外すと、Dsc03360 接着剤がよく見えます。

ペン先の裏に使われていた接着剤は古くなっており、このように劣化しています。

長年のインクの蝕みがよくわかります…

このインクがたまった接着剤をまず上手にはがす必要があります。

私はまず指でちょっとずつとってから、マイナスドライバーや針を使って徐々にとっていきました。

張り替えが必要なころにはこのようにぼろぼろになってしまっているので、すぐにとることができますね。

傷をつけないように気を付けて行いましょう。

Dsc03372

このようにきれいにとれましたら、いよいよ新しい接着剤を塗るときが来ました。

2液混合の接着剤を用意し、たっぷり塗ります。

またペン芯はちゃんと取り外しておきましょう。

ペン芯を取り外すまでの工程はここでは紹介しませんが、またいつか紹介したいと思います。

さて、このようにペン芯を取り外し、真っ新になった首軸。

Dsc03373

たっぷり接着剤をぬります。

ここで躊躇することなくたっぷり塗るのがコツだとか…

あとあとふき取ることはできるので、ペン芯が入る部分に接着剤が入らないようにすれば大丈夫です。

あとはペン先をはめ込んでからあふれた接着剤をふき取り、乾かしてからくみなおす。

そんな風にこのペン先の張り替えは行うようです。

上手にはりかえれば、20年は持つそうですので安心。

私自身きにいっているこのペン。自分で修理し、自分で使う。

これ以上の安心はないと思います。

Dsc03371

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2010年7月 3日 (土)

パーカー、再び。

Dsc02883

大学に入って、2本目。

万年筆の洗浄を依頼されました。

これまたパーカー。

ソネットです。18Kペン先のものということでなかなか良い品です。

一度インクを通して使っていたようで、べっとりと乾燥してしまったインクが付いていました。

ということで、水につけて一晩。

なんだかんだいっても万年筆の洗浄はこれが基本ですよね。

インクも一般的な黒だったので楽でした。

Dsc02882 

何度か水につけて、水を変えたりした結果、こんなにきれいになりました。

このペンはうまい具合にすると分解できるので、今は分解してまた水につけています。

ペンの軸やキャップには割と傷が多く、たくさん使っていたんだろうなと想像させられます。

ぜひ、今度はもっと管理していただいて、万年筆ライフを楽しんでいただきたい。

そんな風に思いつつ、今夜もペンを洗っています。

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2010年5月19日 (水)

カスタム 楓 OH

Dsc02762

昨日紹介したカスタム楓、何も考えずにインクをいれたら全く出ませんでした…

考えてみれば頂いた中古の万年筆。しっかりオーバーホールしなければ!

幸いパイロットの工具は一つあるので、うまい具合に分解できました。

このようにばればらにしてから、じっくり洗浄。

なかなか落ちなかったので、ペン芯のみロットリング洗浄液を使いました。

おかげですっきり。パイロットのブルーブラックをいれてみたところ…絶品。

国産万年筆の書き味の良さに、久々にときめいてしまいました。

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2010年4月 3日 (土)

自己修理

Dsc02663

自分は、自分の持ちものや所属するところなどなど関係するものへのこだわりが強いようです。

そして無駄に心配になってしまいます。

たとえば、万年筆を使うときに部品の将来的な劣化が気になってしまったり…

そんな自分の心配を紛らわすのには、自分で修理する技術を身につけることが一番。

道具や部品もストックしておけば、将来的に壊れても自分だけの力で直すことができるようになります!

ということで自分の持っている道具は自分で直せるようになりたいものです。

写真に挙げたものは、修理などしたものたちです。イヤホンのプラグも(半田が乗りずらいケーブルですが)直せるようになりましたし、モンブランの名入れは消せましたし…

しかしながらやはり自分だけでは直しきれないところもたくさん。部品の調達も難しいです。

写真のパイロットエリートは首軸が痛んでおり、交換する必要がありました。

もちろん自分だけで探し出すのは到底不可能。ということでWagnerの方に部品をいただき無事修理できました。

自分で修理できるようになること、いざという時に修理を手伝ってくれる人・コミュニティーを作ること。

自分が長く使いたいもの、大切にしたいものだからこそ、必要なことなのでしょう。

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2010年3月 4日 (木)

レシーフクリスタル万年筆ニブ換え

Dsc02527

私のお気に入りの一つ、レシーフのクリスタル万年筆です。

以前、この記事 で紹介したように、研磨してペン先の改造をしたうえで金ペンにしていました。

とはいえ、やはり、ペン先に傷をつけずに別のペン先を入れたくなってしまいました。

ということで再改造です。

今回は、レシーフの万年筆のソケットの一部を彫刻刀で削り、セーラーの大型21kペン先をつけました。

あまりサイズは変わらないので、少しの改造で済んだようです。

ソケットに傷つけるといった大胆な改造なので、お勧めはできませんが、あつらえたように調和しているようです。

銀色のめっきがかかったセーラーのペン先があれば完璧ですね。

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2010年1月20日 (水)

ペン芯交換

Dsc02439 以前紹介しました、ウォーターマンプレファスのペン芯を入手しましたのでさっそく付け替えることにしました。

根元があっさり折れてしまった悲しいペン芯…。

新しいペン芯に付け替えてみたところ、Lニブはやはり非常に心地よい。

割と硬いペン先なのもよく、がしがし使ってみることにします。

使い込んでみてからどんな感想がでてくるか…。楽しみなところです。

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2010年1月18日 (月)

ネーム刻印の消し方

Name ネーム刻印の消し方、自分なりに考え付きましたのでご説明したいと思います。

ただかなりの荒療治なので、

割れてしまったり、

取れなかったり、

傷がのこったり、

それが怖い方は実践なさらないようにお願いします。

さて、用意するものはわずかです。

・ヤスリ(ダイヤモンドヤスリと600~10000位のペーパーを段階に追って)

・マスキングテープ

・コンパウンド(プラスチックをぴかぴかにできるもの)

・お茶、コーヒーなど落ち着きを取り戻せる飲み物

Name2

・時間

だけです。

あとは、ペンの値段を見ない!忘れる!気にしない!

でしょうか。

さて、左の写真にあるように、本当にごく当たり前の手順です。

1番の写真にあるように浅い刻印のものしかできないと思います。

2番のように、マスキングで余計なところに傷が行かないようにしたら、ダイヤモンドやすりでガリガリと。

3番~4番にかけては徐々に細かなヤスリにしていくだけです。

ある程度やったらコンパウンドを布につけて、丁寧にやりましょう。

丹念に磨けば完成。

ぴかぴかになります。

やはりこういうものは思い切りでしょうか。値段やものを気にしてしまうと、うまくできません。

かといえ、完璧に消そうと思って削りすぎるのもいかがなものでしょうか。

私の場合は若干こわいので、6番のようにちょっと傷がのこっているように見えるくらいにしておいています。

さて、磨き終わったこのペンの紹介は、また明日。

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2010年1月13日 (水)

結構お買い得…?

Dsc02416 家の近くのローソンの100円均一店でこんなものを見つけました。

エアーダスターです。

wagnerなどの調整ではインクを落として分解しやすくするために使っていらっしゃっていました。

まえまえからいつかは買おうと思っていましたが、まさかこんなところで見つけるとは。

かなりコンパクトサイズなので持ち歩きも楽かもしれませんね。

付属の管をつけることで細く吹くこともできるそうなので、万年筆にも使えそうです。

最近はぜんぜん調整などしていませんが、こういう道具を見ると買ってしまいますね。

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2010年1月11日 (月)

天下のホワイトスターに…

Dsc02407 天下のモンブランに、

半田ごてを突きつけました。

クラック修理を考えたいのです。

というわけで、キャップのクラックに半田ごてを当てて溶かした後に、削って磨くという作業をしてみました。

とんでもない話ですが、傷だらけのキャップ…。

というわけで試しました。

もう怖いものはありません。

最悪、竹軸にしてしまえばいいのです。

もっと悪いときには部品とりに…。

まず最初のテスト。あまりうまくいきませんでした。Dsc02408

端のほうは埋まった感じですが、逆にへこみになってしまいました。

クラックから"当たり"に変えたところでなにも喜びはありません。

もっと様々試してみましょう。

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2009年11月23日 (月)

インキ止め分解(破壊?)

Dsc02243

最近話題の、インキ止め万年筆の構造について、すこし書きたいと思います。

インキ止め万年筆は、軸の中にオレンジで示したように中芯軸が一本入っています。

まっすぐな棒で、首軸の先端にあたるようになっています。尻軸を閉めることで、首軸の先端に中芯軸があたりインクが止まるような仕組みになっています。

緑で示した部分はシール材といわれる部品です。

図のように、内部に入っているため、シール材は見ることができません。シール材とねじの端の部分はコルク止めねじによって隠されているのです。

せっかくなので、今回はあまり見かけないであろうシール材の入っている部分と中芯軸の写真を紹介したいと思います。

以前取り上げた、オークションで落としたペンをばらしてみることにしましょう。

とはいえ、乱暴にばらしてしまったのでもう戻すことはできません。

Dsc02244

まず、コルク室です。

中芯軸が動く際、インクが漏れては困りますので、このようなコルクでインクを止めています。

本来は水や、オイルで湿っていてインクを流れないようにしていますが、今回はからからになってしまっています。

このようになってしまうと使うことができませんね。

よく見ていただくと、コルクが少し奥のほうにあることがわかっていただけるでしょう。

これは前にあったコルク止めねじをとりはずして写真を撮ったためです。

Dsc02245 さて、次は中芯軸。

こちらは折り取ってしまったので、中の鉄線が見えています。

基本的にエボナイト製の棒で、このように先端にインクを止める弁がついています。

中には強化のために金属棒が入っていることも多いです。

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